ケモノの従者と王子の花嫁
- あおい
- 「それにしてもこの服、少し派手過ぎない? 破けてるとことかいっぱいあるし、気になる…」
- マオ
- 「そういうファッションだから」
- あおい
- 「ねえ私、浮いてない? 変じゃない、これ?」
- マオ
- 「全然、変じゃないよ」
- あおい
- 「嘘よ」
- 「みんな、私をジロジロ見てる気がする…」
- マオ
- 「それは、あおいちゃんが…」
- 「遊園地にいる他の誰より可愛いからだよ」
聞いた瞬間、脳みそがフリーズした。周りのカップルにも、くすくすと笑われている。
- あおい
- 「…勘弁して…恥ずかし過ぎ」
- マオ
- 「恥ずかしい?どうして?」
- あおい
- 「そういう歯の浮く様な台詞って ドラマの中の恋人同士が使うものなの」
顔が火照るのを感じる。とんでもない殺し文句。
こんなにストレートに褒められるのって慣れてない。
- マオ
- 「そうだね。オレ達は プリンセスと従者だ」
- あおい
- 「え…?」
- マオ
- 「王子の花嫁…だもんね」
なに、その複雑な顔?
予想外の反応なんだけど…。
妙に気まずい…。
なにか話題を変えなくちゃ。